はじめに
現在、第4次産業革命の進展と世界全体に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症により経済活動に加え、製造・ 医療・教育・生活関連サービス業等の幅広い分野で人の働き方やライフスタイルに影響を及ぼし就業構造にも大きな変 化が起こっています。
Iot(Internet of Things)やAIの発達により、あらゆるものがネット上で繋がり人口知能を搭載したコンピューターが 自分で判断するというシステムが確立されていけば働き手の人材不足を補い、在宅しながら仕事や買い物、ロボットに よる接客や労働の補助や代替も可能になってきます。現に医療・介護分野では医師によるオンライン診察や介護者の 移乗介護の身体的負担を軽減するパワーアシスト型ロボット等が普及し始めています。今後、あらゆる分野の仕事スタ イルの変化や求められるスキルも重要視されていきます。 柔道整復師の仕事は骨折・脱臼・打撲・捻挫等の外傷を治療することであり、患者様の患部に直接手を当て状態を診 ながら治療していきます。そのため、治療する行為はAIロボットが代わり普及していくことはないでしょう。しかし、柔 道整復師の置かれている環境は、柔道整復師や施術所の数も増え続け飽和状態に成っており、患者様が必要としてい る確かなスキルを持った柔道整復師が選ばれる時代になっています。今までのような医療専門知識だけを習得し治療 するだけでは生き残っていけません。また、国民医療費が増加傾向にあり、病気のしない予防医療に重点を置く政策も 政府が進めています。そのため健康志向への高まりからジュニアからシニアまでスポーツへ興味を持つ人々が増えて きました。 スポーツは、正しい運動動作で行わなければパフォーマンスのアップにも繋がらずケガをしてしまうこともありま す。スポーツ技術指導者で医療専門知識を持ち指導できる人材は不足しています。また、スポーツ技術指導の教育も
トップアスリートを育てた本物の指導者から学ぶことにより、スポーツ外傷の治療や予防に対応する能力も養われま す。 柔道整復師は、医療、スポーツ、介護などの多方面で活躍できる資格ではあります。しかし、現在の社会情勢のなか で何が必要か、何を求められているのかを見極めることも必要です。そして、指導者との出会いにより大きく道が拓け る可能性もあります。 どんな困難な状況にも打ち勝っていく人間性を養い、本物となれる知識・技術を学び、夢に向かって歩んでいきま しょう。
学院長
林 一志